ここはいかに見られていないか
見る必要はない
見たければ見ればいいだけのことだ
マスターに守られて半年余り。
もう時間はわずか。
マスターに誘われ、二人終電があるかないかの時間まで飲む。
来月から見事脱出できるマスターが、代わりにリーダーになれと言うが、きっぱり断る。自分には無理だと。
今の自分は力を失っている。このセキュリティーの厳しく、開発には不向きの環境。そして、このメンバーにも不安。自分の自由は奪われ、羽をもがれた。
2週間休んだ彼は、相変わらず帰るのが早く、休みの常連さんとなってしまった。それでなくとも、スケジュール管理に厳しいところだ。ある程度のスキルはあるのだけれど、コミュニケーションについては極端に消極的。自分から話しかけてくることはほぼ無い。見積りどうりのスケジュールどうりに進むのはまず難しいだろう。
となりのグループなどは、相変わらず仕事中にエミュレーターでゲームしている。しかも、サブリーダーはゲームをしている彼を見ているだけじゃなく、自分もやろうとしているありさま。周りで仕事をしている人のいる中、ゲームをしている神経が信じられない。本社へ報告したいくらいだが、今のところ目をつぶっている。
こちらのグループでは必死こいて仕事しているのに、目の前でゲームされると腹が立つだけじゃなく、やる気が極端に落ちる。
真面目に仕事をするのが馬鹿らしい。
となりのとなりのグループより、仮釈放者1名。
心の中で「おめでとう」。
